令和三年度 出陣ねぶた
雪の瓦罐寺がかんじ
雪の瓦罐寺

 中国北宋末、梁山泊りょうざんぱくに集う一〇八人の英雄豪傑の物語『水滸伝』。 九紋龍史進くもんりゅうししん魯智深ろちしんはその主たる登場人物である。

 武勇に秀で、槍・剣・棒といった武芸十八般ぶげいじゅうはっぱんを極めた九紋龍。 全身に九匹の龍の刺青いれずみをしていることからそう呼ばれる。

 身の丈七尺もの巨漢で、気性は荒いが義侠心の持ち主である魯智深。 背に百花の刺青があり、花和尚かおしょうというあだ名がついている。

 雪の降りしきるある夜、旅の道中であった二人は瓦罐寺でめぐり逢い、寺の人々を苦しめる賊の頭目・飛天夜叉ひてんやしゃ崔道成さいどうせい(送りねぶた)を成敗したのだった。

 二〇二〇年は青森のねぶたと弘前のねぷたが国の無形重要民俗文化財の指定を受けてからちょうど四〇年という節目の年であった。 四〇年プラス一の今年、そしてこれからも、青森と弘前互いに手を携え、津軽のねぶた文化のさらなる発展を目指してゆきたいと願ってやまない。 この願いをこめ、弘前ねぷたの鏡絵かがみえにこれまで最も多く描かれてきた九紋龍と魯智深を青森ねぶたで表現するものである。

解説/竹浪 比呂央