平成十九年度 出陣ねぶた |
「 鬼 神 太 夫 」 |
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昔、
ある日、鬼神太夫という身なりの良い若者が訪ねてきた。
そして、作業中絶対に鍛冶場をのぞかないことを条件に、この難題に挑んだ。
ところが、不思議なことに何日たっても鍛冶場からは何の音もせず、食事をとっている気配もない。
心配になった刀鍛冶は、こっそりと中をのぞいてしまった。
するとそこには、おそろしい形相をした龍が口から火を吐き、刀を鍛えている姿があった。
驚いた刀鍛冶は、娘をこんな化け物にはやれぬと、でき上がった一腰の刀を抜きとり、鳴沢川に投げ捨ててしまった。
約束の日の朝、何も知らない鬼神太夫は仕上げた刀を差しだした。
一腰、二腰…と数えていくが、十腰ない。鬼神太夫は落胆し、そのまま東へ姿を消したのであった。
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解説/竹浪 比呂央 |