今別町大泊の海岸には、奇岩怪石におおわれた岩場があり、その中に「鬼の穴」と言われる洞窟もある。
その昔、この岩穴に鬼が住みつき、海を通る船や、田畑を荒らしたり、村人たちは困りはてていた。
そこへ、兄・頼朝に追われ蝦夷へ向かっていた義経一行が通りかかり、話をきいた義経はその鬼を退治してしまったという。
青森には各地に鬼伝説が残っているが、この「大泊」という地名も鬼が住んでいた「おにどまり」からきているといわれている。
今別町は青函トンネルの本州側入口として知られているが、津軽海峡に面した海岸一帯は、津軽国定公園に指定されており、変化に富んだ断崖が続き、そこからの月の眺めが見事であると義経が絶賛したという袰月海岸など、景勝地としても親しまれている。
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